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2016.7.31

乾くのは目だけじゃない!「ドライマウス」が増加中

「口や喉がかわく」と訴え、口腔外科や歯科を訪れる人が増えています。この「ドライマウス」、不快なだけでなく、実は、口の中の様々なトラブルの原因にもなっていると言われています。

症状や正しい対処法を抑えておきましょう。

お口の中が乾燥する「ドライマウス」に悩む人は、50代~70代のシニア層に多く、全体の8割程度を女性が占めています。

お口の中の潤いを正常に保つのは唾液の役割です。成人の場合、1にちにおよそ1.5リットルの唾液が分泌されており、これが減少したり過度に蒸発したりするとドライマウスの症状が現れます。

唾液の分泌量が低下する主な原因には、加齢のほか、ストレスやうつによる自律神経の乱れが挙げられます。また糖尿病やシェーグレン症候群といった、病気の症状の一つとして唾液が出にくくなることもあります。

また、鼻の病気などに伴う開口癖、口呼吸によって唾液が蒸発しやすい状態になり、乾きを感じる人もいます。

中でも、特に多いのは、ストレスやうつによるドライマウス。人前で話す時などに緊張して口の乾きを感じることがあるが、これは緊張で交感神経の働きが強くなり唾液中の水分が減るために起きる現象。ストレスがかかると交感神経が強く働くため、口の中が乾きやすくなります。

ドライマウスになると「物が食べにくい」「話しづらい」といった不便さを感じるが、症状はこれだけでありません。

唾液には、口の中の細菌の増殖を抑える「抗菌作用」、食べかすなどを洗い流す「浄化作用」、口の中をなめらかな状態にする「潤滑作用」、口の中の酸を中和する「緩衝作用」、歯の表面を修復する「再石灰化作用」といった働きがある。こうした働きが弱まるとさまざまなトラブルにつながるので注意しましょう。

例えばドライマウス患者に多い「口腔ガンジタ症」はもともと口の中に存在するガンジダというカビの一種が抗菌作用の低下によって増殖し、発症するもので、抗真菌薬での治療が可能なので、舌や口の粘膜が赤くなったり、口角がただれたりして痛みを感じる場合は、歯科や口腔外科を受診してください。

また、抗菌作用の低下で細菌が増えれば、口臭も発生しやすくなる。歯が再石灰化されにくいと虫歯にもなりやすい。

「たかが口の渇き」と甘く見てると大変なことになりかねませんね。

唾液が減ると口臭や虫歯の原因にも

唾液は口や喉を潤すだけでなく、口の中の菌類の増殖を抑える作用、食べかすや歯垢を洗い流す作用、口の中の酸を中和する作用、歯の表面を修復する作用など、多くの働きがある。口の中の唾液が減ると、口臭が強くなったり虫歯になったりする原因にもなる。

唾液の主な役割

  • 口の中の最近の増殖を抑える(抗菌作用)
  • 食べかすや歯垢を洗い流す(浄化作用)
  • 口の中をなめらかな状態にする(潤滑作用)
  • 口の中の酸を中和する(緩衝作用)
  • 歯の表面を修復する(再石灰化作用)

ドライマウスのセルフチェックシート
1つでも当てはまれば、ドライマウスの可能性あり

  • 口や喉がよくかわく
  • 食べ物の味がおかしく感じる
  • 口の中がネバつく
  • 口臭がある
  • 目や皮膚が乾きやすい
  • 夜、喉の渇きで目が覚めることがある
  • パンなど乾いたものが食べにくい
  • 口の端が荒れる
  • 口の中が傷つきやすい
  • 舌や口の粘膜に痛みがある

ドライマウスの症状があるなら、まずは考え得る原因をできるだけ取り除きたい。「糖尿病などの病気による場合は、その治療を行います。ストレスが原因なら、自律神経のバランスを整えるためリラックスすることを心がけてください」(中川さん)

ドライマウスの治療では、唾液分泌促進薬や人工唾液が使われるケースもあるが、処方されるのはシェーグレン症候群などが原因の場合に限られる。口の乾きが続くなら、生活習慣を見直しながら市販のケア用品を使うなどして、自分で改善していくことになる。

「唾液はそしゃく筋を動かすことで分泌されます。硬めの食べ物を食事に取り入れ、よく噛む習慣をつけることが大切です。顔の筋肉が衰えないよう、外出して人と話す機会を多く持つような心がけもいいでしょう。」(中川さん)。

歯が悪くなったり、入れ歯が合わなかったりすると、しっかり噛めないために唾液が出にくくなることにも注意が必要だ。ぴったり合う入れ歯にするなど歯の状態を改善すると、ドライマウスの症状が和らぐこともある。

このほか、口の中を保護するための生活習慣として、「口ではなく鼻で呼吸すること」「加湿器などで部屋の湿度を上げること」「こまめに水分を補給すること」の3つを心がけたい。

市販のケア用品には、唾液の蒸発を防ぐ「ぬれマスク」や口の中に潤いを与える保湿剤がある。

保湿剤には主にジェル、スプレー、マウスウォッシュの3タイプがあり、「家で時間があるときは、唾液腺をじっくりマッサージしながらジェルを塗りこむ」「時間がないときはマウスウォッシュ」「外出先ではスプレーを使う」というように、シーンに応じて使い分けるといいだろう。

口の保湿に威力を発揮するのが、歯ぎしりの軽減などの目的で作られるマウスピースだ。装着すると唾液腺が刺激されて唾液が分泌されやすくなるほか、口蓋(口の中の天井部分)から分泌される唾液の蒸発を抑える効果もある。

「装着した8~9割の人にドライマウスの改善が見られる」(中川さん)という。

唾液がより出にくい人は、口蓋部分に保湿ジェルを塗ってからつけてもよい。睡眠中の乾燥対策だけでなく、日中でも口の乾きが気になる時は装着しておくといい。

マウスピースは歯科で作ってもらえるが、通常は口蓋の部分をカットして作るケースが多い。事前に切り落とさないように頼んでおくことを忘れずに。


ドライマウスを診てもらうには

ドライマウスの認知は広がりつつあるものの、あまり詳しくない歯科医や口腔外科医もいる。「ドライマウス研究会」のウェブサイトに掲載されている都道府県別の医療従事者リストで見てもらえるいところを探そう。
ドライマウス研究会 http://www.drymouth-society.com/


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